2000年代初頭は米国MBA流の「利益の極大化」が大流行 当時から私はこの考え方には全く共感できませんでした。そして、その後も「株主価値の最大化」がキーワードになった時期がありましたが、私にとっては金の亡者にしか思えなかったのです。 そんな…
新規の装置を検討する時の目的は いろいろな切り口があるかとは思いますが それまで研究室で「手作り」していたものを初めて装置で製作する。 既に装置で製作しているが、従来に比べ品質・ボリュームを向上させる。 この2つに大別してみます。 しかし、製作…
既存の取引先様を訪問する場合と新規の取引先様を訪問する場合の違いを考えてみましたが、どちらの場合も基本に忠実に従ってセオリー通りに臨むのが良いように思います。 そして、どんな場合でもスタンスは「取引先様のことを少しでも多く理解したい」と思う…
今はネットの時代で、事務用の文房具や現場で使う工具や消耗品は特定の業者と契約してそのシステムを通じて発注しているのが一般的で、これで日常業務に必要なものはほとんど揃うと思います。 しかし、あくまで「ほとんど」であって「全て」ではありませんね…
日本には年末年始の挨拶という商習慣があります。これに対して最近は「意味がない」とか「虚礼廃止」とか、受け手の私たち調達が避ける風潮がありますが、私は一概に「意味がない」とは考えていません。 「年末の挨拶」は話すことがなく無用 確かに礼節とし…
調達の実務に携わる前は、4月以降の価格の折衝は年明け早々から始めるのかな?と想像しており、初詣をする時は「折衝がうまく行きますように」とお賽銭を投げて祈願をするのかな、と考えていました。 しかし、実際は違いましたね。 日本では多くの企業が3…
工数単価は人工費用とも言い、メーカー様の社員1人の1日当たりの人件費のことです。 以前別の稿で装置の見積評価をする場合のことを書きましたが、こうした工数単価を基に見積評価をするのはソフトウェア開発や建築工事案件でも良く見られますね。 tyoutat…
調達業務は日常の納期調整や、価格折衝というイベントに向けてそれぞれの材料の注文量や品質とか自社と取引先様の状況や更に市場や市況の動向の情報収集など多様ですね。 確かに忙しいと思いますが、これらは「調達のお仕事」としてルーチンワーク化している…
私が調達業務をする上での基本方針は 「調達業務を通じて自社の企業競争力の維持・向上を図る」 というもので、これには 何を調達するか という枠は一切設けていません。 その中で、私がよく他の方々に自慢げにお話するのは「人を調達した」ことです。 「人…
「イノベーティブで創造的な空間を構築する」というようなお題目で多くの企業が新しく事務所や研究室を建設したりリフォームしたりしていますね。 こうした時は対象の空間を具体的にどうデザインしレイアウトするか、検討するチームを社内で立ち上げることが…
詰将棋には1手詰から長いものだと江戸時代の「将棋無双」には何と225手詰というものまであります。 しかし、交渉事では相手先がどんな対応をするかの予測は一問一答くらいまでで、その先の問答を予測するには可能性が広すぎるため、私は現実的な対応とし…
画期的な新製品を開発しました!と言ってスグに製品を販売できる訳はありませんよね。 同じ製品でも繰り返し製造すると特性や機能など品質に必ずバラツキが出ます。そして、お客様からお金をいただくのであれば、そのバラツキがどこまでOKで、どこからがN…
取引先様から値上げの打ち出しを受ける場合に良くある理由として原油やナフサの価格が上昇し、このコストupを内部で吸収しきれないため「やむを得ず」価格改定をお願いする、という言い方が多いと思います。 そして、こうした場合に取引先様からのお願い書面…
「何のために仕事をするの?」 この質問には、まず「生活のため」という答えが返って来ると思いますが、同じ金額の給料がもらえるなら少しでもやりがいのある仕事をしたいと考える方が多いでしょう。 実際には、世の中には様々な業種・企業があり給料や仕事…
取引先様は私たちの会社の情報をどのように入手しているのでしょうか? やはり、それは自社の取引先様に対する第一窓口である調達担当者から取引先様の営業担当者を通じた情報が一番の基本となるでしょう。 これは「何をした」「何を言った」という事実に加…
業態や会社によって「適正在庫量」は様々で、カンバン方式での場合の在庫は本日の生産分+αくらいかもしれませんね。 しかし、そんな場合でもそうした体制を支えるために部品メーカーや材料メーカーは不測の事態に備えて在庫を抱えており、これがサプライチ…
突発的なトラブルが原因で必要な納期に材料が不足する事態の対応については、以前別の稿で触れました。 tyoutatsumeister.hatenablog.com それとは別に私たちの会社の製品が使用されている最終製品がヒットして追加注文が相次いだ場合は、いわゆる「嬉しい悲…
建物や装置を発注するためには一般的に価格折衝を行います。 この折衝では何の準備もせずに「最大限の価格のご協力をお願いします。」と言った上で取引先様から提示された金額が、例えば▲50%値引きだったとしましょう。 これに対し、私たちは「おお、なん…
BtoCの商売と違って、BtoBの商売は基本的には受注生産ですから、在庫を持つ必要はないのかもしれません。 しかし、世の中には手配納期が3カ月とか、場合によっては6カ月を要するものがあり、こうした材料を使用した製品でもお客様からの注文にできるだ…
自動車業界や製薬業界などでは独自の品質マネジメントシステムがあるようですが、それ以外の業界での世界的なシステムとして「I SO9000シリーズ」がありますね。 これは英国人が「我が社にはお客様に常に安定した品質の製品をお届けする体制ができている…
調達業務では、メーカー様と直接の取引もありますが、商社様を通じて購入している材料や装置も多数あると思います。 それらの商社様はメーカーからの仕入れ金額に自社のマージンを上乗せした金額で私たちの会社から受注していますが、マージン分の仕事をして…
調達の方針というと、一般に「購入金額の▲〇%ダウン」とか「BCP対応の確立」とか「新規材料・メーカーの探索による新製品開発への寄与」それに「法令遵守」と言ったところでしょうか。 これには「何のために?」という目的が書いていないため、私はひね…
納期トラブルが発生する原因は、自社の製品が突然追加受注した場合のようなハッピーパターンや、突発的な品質トラブルの発生による緊急の代替品の生産とか自社や取引先様の関係者のヌケ・モレ・勘違いによるものなど様々ですね。 しかし、どんな原因にせよ私…
「異物混入」というのは、自社の製品でも納品された材料でも悩ましい問題で、現場の方々を中心にひたすら執念を持って継続して取り組むしかないようですね。 これには、購入品質仕様書に定めた規格から外れてしまったという品質トラブルと、地道な努力を重ね…
あくまで「可否判断」を迅速にすることであって、月末になって納品物の良否を確認せずに何でもかんでも即検収処理する、ということではありません。 確かに「下請法(下請代金支払支払遅延防止法)」の禁止事項の一つ「支払遅延」では「給付を受領した日から…
取引先様には自社に対して、品質・価格・納期など全ての面で会社としての総力を挙げた対応・協力をしてもらう必要があります。 一方、取引先様にとってもこうした対応をすることは材料が使用されている製品の販売量が増加することで取引金額(売上・利益)が…
「選択と集中」の風潮の中で 取引先様から、生産・在庫の効率向上を目的として製品の統廃合の申し入れを受けることが多いですね。 この申し入れは、窓口の営業担当者から、まず口頭で説明(打診)を受けることもありますが、いきなり書面で提示されることも…
調達業務は「発注すること」と思われてますが 工場で発生する各種廃棄物の処理は、その最終処分を確認するマニフェストの管理・取得まで必要なため、規模の大きな工場では調達部門とは別部門が対応していることが多いかもしれません。 法令遵守という中では…
今週・来週とか今月分の材料確保(短期) 例えば、ダンボールメーカーでは、およそ60%が翌日納期と伺って舌を巻いたことがあります。 「製品が違う」という声が聞こえそうですが、どの企業の製造部門でもより短納期で対応できるよう必死で改善を重ねてい…
基本は直接の見積依頼 調達業務に携わる前は、開発部門からの依頼として「こんな特性を持った材料を探して」という依頼が多いのでは、想像していましたが、ネット上の情報が充実している現在では実際には「〇〇社製の品名〇〇を入手したい」というように具体…