調達魂

~日々奮闘する資材調達・購買バイヤーに贈る言葉~

年末の挨拶は無用 一方、年始挨拶は有効に活用する

日本には年末年始の挨拶という商習慣があります。
これに対して最近は「意味がない」とか「虚礼廃止」とか、受け手の私たち調達が避ける風潮がありますが、私は一概に「意味がない」とは考えていません。

「年末の挨拶」は話すことがなく無用

確かに礼節としては「今年1年本当にお世話になりました。」という思いを込めて年末に改めて取引先に挨拶に赴くということは理解できます。
しかし、現在はほとんど形骸化しており、
「カレンダーと手帳をお持ちしました~、それでは新年もよろしくお願いしま~す」
という感じで、ほとんど身が入っていないケースが多いように思います。

この時期になると社内の製造や品質保証など他の部門のメンバーの中から
「A社のカレンダー来た?」とか「B社の手帳を来年も使いたい」とかの問合せやリクエストが来ますね。

私自身は「調達担当者は取引先様には、おねだりしない」ことを信条としていますので、いただいたら希望者には渡しますが、それ以上のことはしないようにしています。

しかし、それ以外に来訪された取引先様とは
「クリスマスはどうされてました?」とは「年末年始のご予定は?」など、私にはどうでも良い話題くらいしか思いつきませんので、ほとんどが立ち話で済ませています。

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新年の挨拶は情報交換の機会

取引先様のトップや幹部との面談
日常の仕事は両社の担当者が対応しており、これが順調なほど取引先様の幹部が私たちの会社に来訪するキッカケや理由がありません。

この中で「新年の挨拶」は絶好の口実となる訳です。

この機会を有効に使いたいものですが、実際はどうでしょうか?

例えば自社の幹部や上長の同席面談で
「いつもお世話になっております」→「こちらこそお世話になっております」
「お正月はいかがでした?」→「今年も息子夫婦が孫を連れてきて大変でしたわ」
→「そうですか、どちらも似たようなものですな」
「何はともあれ今年もよろしくお願いします」→「こちらこそよろしくお願いします」

こんな会話で終わっていませんか?

これでは全くの時間のムダで「意味がない」ですね。

これは取引先様のせいではなく、こちら側で有意義な面談にするための意欲がないことが原因だと私は考えています。

年始の挨拶で両社のトップが何を語ったか
年末時点の挨拶では、その年に起こったことを振り返るくらいの話題しかありませんが、新年の初出勤日に普通はどこの会社でもトップからの新年の方針が語られます。

これを調達担当者として良く聞いて理解した上で取引先様の幹部に対して「弊社では」と説明し、自社の状況や考え方を理解してもらうようにします。

そして、取引先様のトップが新年を迎えて何を語られたかも良くヒヤリングするのです。

取引先様の中には日本を代表する企業またはその系列企業があり、そうした企業のトップが何を語ったかは私にとって毎年とても興味があることで、その話をTVや雑誌という第三者からでなく、その企業の社員という当事者から解説付でその内容を聞く訳です。

当然、その取引先様との取引はしばらくの間そうした抱負や方針を踏まえた「もの言い」をして行きます。

受給状況の情報交換
実務では「新年始めにトップが何を語ったか」よりも調達担当者としては足元の受注動向と取引先様の在庫・生産体制についての情報交換の方がずっと重要です。

例えば液晶業界では、以前は米国のクリスマス商戦に向けた最終製品の作り込みのために部品メーカーでは秋に生産のピークを迎えるだけでしたが、その後に中国の購買力の高まりに伴い旧正月に向けた作り込みも加わりました。

この中で新年初旬はこの旧正月商戦に対する最後の追い込み時期になる訳です。

それに別の稿にも書いたように、この時期は既に新年度に向けた価格見直しに着手しており「お屠蘇気分がまだ抜けない」などと言っていられる状況ではない訳です。

tyoutatsumeister.hatenablog.com

 

調達の業務課題には様々な対応があり、何が正解ということはありません。

その中で、このブログが対応策の検討やセカンドオピニオンとして少しでもお役に立てれば幸いです。

また、営業職の方々にとっても調達担当者の考え方を理解することで取引先との良好な関係を築くための参考となれば幸いです。