調達魂

~日々奮闘する資材調達・購買バイヤーに贈る言葉~

「この材料を大至急で頼む」って言われたら・・・

「これ、大至急で!」と言われたら

調達マンたるもの「何で~」とか「また~」とは言いません。
人は好き好んで危ない状況を作ろうとは思っていない、と考えているからです。

以前、市場での汎用在庫品で通常なら発注した翌日には納品されるものが、たまたま翌日の納品ができず、翌々日の納品になったことがありました。

この時、現場の担当者から私に対象の取引先様に対して今後の注意をしてほしい、との話があったのですが、これを聞いた現場の担当者の上長が
「我々はお客様に納期通り製品を納める責任を負っている。その中で、今日注文したものが明日入らないために納期を守れない、などという甘い体制は許されない。
納期は誰かのお陰で守れるものではなく、オレたちが守れる体制を作るんだ。」
という話を担当者にしていました。

感服した、の一言でした。

具体的な目標納期を把握する

ですから「大至急で」と言われたら、まず「OK。いつまでに必要?今すぐ?」と理想とする目標納期を具体的に聞きます。

 こういう時は、「今すぐ」もあり得ると思っています。
とにかく本当の話を聞かないと、ここから始まる打ち手を間違えてしまいますし、最後に要望納期に応えたつもりでも本当の理想納期と異なった場合、100%希望納期に応えたはずなのに、などと感謝に温度差が出てしまいますので。

ここでようやく協力を依頼する関係者に説明する必要から、この依頼をするに至った事情をヒヤリングします。

その上で取引先様ほか関係者に協力を依頼します。
私は、この時の背景及び目標納期の説明はできる限り脚色せず、本当のことを言います。

つまり、突然の追加受注が入ったとかハッピーストーリーばかりでなく、私たちの会社の誰かのミスに起因する場合でも正直に話して協力を要請するようにしています。

実際には

「今すぐにでも欲しい」ということは滅多になく、具体的な希望納期を聞くと、明後日だったり、大特急でも翌日の昼一番に使用を開始したい、というケースが多いですね。
それでも各方面への手配は大変ですが、こういう時は何故か私は燃えます。

 

調達の業務課題には様々な対応があり、何が正解ということはありません。

その中で、このブログが対応策の検討やセカンドオピニオンとして少しでもお役に立てれば幸いです。

また、営業職の方々にとっても調達担当者の考え方を理解することで取引先との良好な関係を築くための参考となれば幸いです。