調達魂

~日々奮闘する資材調達・購買バイヤーに贈る言葉~

調達担当者は取引先様の状況を社内に説明する代弁者たれ

「あの会社、何を考えてるんだ!」

こんなコメントが社内の他部署のメンバーからあった場合に「全く、その通りだ」などと言っていませんか?

私は、こんなコメントが社内から出ることは調達担当者として恥だと考えています。

 私たちの仕事は、取引先様に自社の状況を十分説明した上で、価格・品質・納期などの要望を具体的に打ち出し、この対応を引き出すための交渉・調整をすることです。

これがどのような経過であっても、取引先様の状況を十分理解した上で、その内容を社内にキチンと説明し、意見をもらいながら交渉を進めることが重要だと思っています。

ですから「あの会社、何を考えているんだ?」という状況の時は、ストレートに自社内に渦巻く意見を提示し、取引先様の意見・反論をヒヤリングします。

この段階では、まだ両社の溝を上手に埋めて自力で調整しよう、などとは考えません。

何故なら、この段階では両社の考えが異なっている状態で、それをそのままにして調整しても調達担当者のひとりよがりでしかなく、社内外ともに誰もついて来てはくれません。

取引先様の考えは、こうだ

社内のメンバーに内容を説明すると「そこ?」とか「ズレてる~」とか「わかってない」などの意見が出てきますので、まずは私自身が社内メンバーの話を良く聞きます。

なにしろ社内でも立場が違うと、意見が異なりますので良~くヒヤリングします。

そして、それぞれの社内メンバーが了解できる落としどころの検討までできたら、改めて取引先様に協議の申し入れをします。

この段階では、当初に比べ両社の考え方の何が食い違っているのかがかなり明確になっているため、改めて自社の要望事項を事前に説明し、検討の上での回答を依頼します。

この後は、両社から関係者数名が出ての協議・打合せとなったり、話の整理が十分できていれば私に対して「後はアナタに任せる」と言われる場合もあります。

こうして任せられた場合には、交渉の結果ばかりでなく、経過も社内メンバーに説明し、その後の両社の取引に齟齬のないようにします。 

 

 

調達の業務課題には様々な対応があり、何が正解ということはありません。

その中で、このブログが対応策の検討やセカンドオピニオンとして少しでもお役に立てれば幸いです。

また、営業職の方々にとっても調達担当者の考え方を理解することで取引先との良好な関係を築くための参考となれば幸いです。